傑作。これは本当に素晴らしい。
黒澤明とかコッポラとかキューブリックとか昔の巨匠達が作った作品から感じ取ることが出来るスケールの大きな根本から問いただされるような、かといって決して押し付けがましいわけではなく、逆に心の底から立ち上がらせる大きな力「の・ようなもの」がこの「メトロポリス」にはあった。 原作:手塚治虫、脚本:大友克洋、監督:りんたろう、というとんでもないメンバーだが・・・。 黒澤明の「野良犬」やキューブリックの「地獄の黙示録」のように、「メトロポリス」にも音楽と映像の相乗効果が凄い。 近未来都市に流れる古き良きJAZZ、そしてラストのレイ・チャールズの「I CAN'T STOP LOVIN' YOU」 は今そこにある状況とは相容れない音楽が流れることによっての素晴らしい効果がもたらされていて、鳥肌が立った。 カタルシスとか、内容詰め込みすぎとか、ストーリー展開が読めたとか、そういう感想ってどの作品に対しても失礼であると思う。 それは自分が感じたい部分だけを感じ取っているだけで、もっと純粋に感動しても良いんじゃないか。 作品を見て感じる「何かよくわからないもの」「突き動かされたもの」とかそういう言葉には表しにくい感情のほうが私は大切だと思う。 例えば何かCDを聴いて感動して、もっとその音楽につい知りたいと思って、CD屋なり、本屋なりに足を向けさせられたその力の方をもっと大切にして考えるべきだと思う。 何か感動して、この気持ちを誰かに伝えたい、友達に電話しよう、とかそういう電話させるにまで至った力とか。 何かよくわからないものってどうしても避けがちになってしまうけど、自分の感じることの出来る領域を広めることのできる良いチャンスだと思う。 もっともっと「何かよくわからないもの」に出会ったほうがいいと思うし、出会いたい。 何はともあれ、「メトロポリス」は間違いなく傑作だ。
by off-wax
| 2005-10-26 00:52
| MOVIE
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